「ほっ」と。キャンペーン

教師になって四年。JICA青年海外協力隊20年度1次隊として、中米のニカラグアに派遣。活動の様子を伝えていきたいと思います。


by a-ri-sen
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去る者追わず。

1学期からの1週間の休みが終わって、2学期が始まりました。

年度当初(1学期開始時)

1年A組  32人
  B組  32人
  C組  46人

2学期開始時
1年A組  27人
  B組  28人
  C組  39人

1学期全教科受かった人    53人

1教科でも落とした人     41人


5教科落として退学になる人   5人


スペイン語の授業を落とした人 20人

算数の授業を落とした人    17人

心理学の授業を落とした人   17人

理科の授業を落とした人    16人

学期の成績は、提出物、授業の発表が40点。

テストが60点。

それを学期に2回評価し、平均をとります。

60点以下の場合は赤点。いわゆる再試験ですemoticon-0106-crying.gif

通常2つまでは落としても再試験で通れば次の学年に上がれます。

だから、3つ以上落とすと次の学年には上がれません。

でも、たまに先生の配慮があり、3つ以上落としていても

課題を出すことで点数が足りなくても通してあげることがあります。

ただ、5つとなると多すぎて問答無用に退学か、もう一度学年をやり直すかです。


学校を去る生徒は様々な理由があります。

ある女の子は家族が引っ越してしまい、通えなくなって。

ある男の子は途中でもう来たくなくなったから。

ある女の子は点数が足りなくて。


今の2年生にも去年卒業できなかった生徒がいます。

学校は点数が足りなかったり、病気でテストを受けることが

できなかったりした生徒には配慮をして、

なんとか次の学年に上がれるようにしています。


文化の違いと言えばそうでしょうが・・・

せっかく選んだ道を自分の意思とは関係なく、

やめさせられるのはどんな気持ちなのでしょう。

自分の意思で進める道があることがすごく大切に思えます。


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# by a-ri-sen | 2009-07-16 11:41

先生

何かと色んな日を祝っている配属先ですが、

今回は「先生の日」


これはニカラグア中の学校で祝われるらしく、

今年は6月29日の月曜日(なんとその日、学校はお休みです。)

小学校でも、行事をして先生に贈り物を送るみたいですが、

配属先でも、金曜日に行事がありました。


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詩を作ってきて読む生徒。

学級で詩を朗読したり、先生に対する歌を歌ったりemoticon-0102-bigsmile.gif

そして、その後は先生達が集まって、

豪華な食事(と言っても鶏肉の切り身、サラダ、ポテトフライですが・・・)と、

プレゼント(ファイル、ノート4冊、ボールペン、ものさし)の配布。

なんだか、そんなに祝われるほどのことをしているのだろうかと思うけど、

素直に先生たちにお祝いの言葉を言い、ハグをしている生徒たちを見ていると、

あったかい気持ちになりました。

だからこそ、もっと子ども達を見てあげればいいのにと改めて思います。


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もう一つ先生に関連して。

配属先では土曜日に県内の無資格の先生達が
小学校教諭の免許をとるために学校に通っています。

ニカラグアでは、先生になるために試験があるわけではなく、
仕事も自分の持っているネットワークを使って見つけるため、
小学校の免許を持たないまま授業をしている人たちがたくさんいます。

通常は配属先などの教員養成学校を卒業しないといけないのですが、
働いている先生たちを対象に土曜日の授業の機会が与えられているんです。

そこであったのが、いわゆる「卒業論文の発表」



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日本の大学みたいな大きなものではありませんが、
一つテーマを決めてそれをグループで研究して発表するんです。
20分の発表に10分の質疑応答。

見たテーマは

・1年生のスペイン語の授業改善について
・学級規律が確立されていない学級について
・出席率を上げるためにはどうするばよいか
・教具の必要性について

発表自体はある学級に行って、原因を上げ、解決策を考え、提案するというもの。

まあ、そのほとんどの原因が

両親の援助不足、経済的問題、周りの環境

解決策は、

授業をもっと楽しいものにする、両親と話をする

というもので、

解決策の提案で学級はよくなったと発表していた。

そんな感じで、中身については自分としては物足りないものだったんですが、

それよりも、

そういうテーマを問題だと認識できることに驚きと希望を感じました。

そして、その発表を評価する先生が言った言葉、

「あなたたちが研究したことはすばらしい、でも、それをあなたたちの中だけに留めておかず、

周りの先生たちに伝えていくことが大事なんです。」

「また、原因は先生にもあります。先生も子どもの教育者。先生が良い方法を身につけていないから、

そういう問題が起こるし、いっこうに解決されないんです。先生の質をあげないといけません。」


と。


人に迷惑をかけても謝らない、

自分の責任のはずなのに言い訳をする。

そういう責任感が希薄な日常の中で、

自分の中に原因があると思うのは難しいのかもしれません。


でも、ついこの間カウンターパートのホルマン先生がこんなことを言っていました。

「JICAのプロジェクトが始まって以来の4年間働いてみて、

やっと何が一番の問題かわかった。授業の時間がなくなることだ。

ここでは、授業がなくても給料が出るからあまり気にしない人が多いが、

生徒はそれでは何も学べない。

授業をすることが先生の仕事ではなく、

子どもたちに理解させることが仕事なんだよ。

だから、生徒を常に見てあげないといけないんだ。」

と。

ニカラグアでの先生の仕事は「授業をすること」です。

この前も、ある小学校の先生に

「ケンジは授業をしていないんだろ。じゃあ、学校で何もしてないんじゃないのか?」

と言われました。

すごく顕著にでてますよね。

授業をする=先生

だから、

授業をしない=先生ではない、何もしていない

なんです。


自分が帰るまでに本当にその大事な部分に気付いてくれる人が

少しでも増えるように何とかしていきたいです。
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# by a-ri-sen | 2009-06-29 10:26

カメラマン

ニカラグアの学校は6月で1学期が終わり、7月には1週間ほどのお休みに入ります。

現在、配属先はテスト期間に入り、授業もほとんど終わっています。

授業がない=することがない

ということで、

最近の仕事はカメラマンemoticon-0103-cool.gif

ホルマン先生の授業をビデオで撮ったり、カメラでよく写真を撮ったりしているので、
実はオファーがたくさんあります。

カメラもビデオも持っている人は学校内でも一人か二人くらい。
そして、ビデオはビデオテープ式。だからデータに落とせる自分のビデオは役に立つんです。

何か行事があると、ビデオを撮って編集して渡したり、

生徒の写真を撮って、現像してあげたり。

算数の活動よりそっちのほうの需要がたくさんある気がします・・・・


以前にも書いた、複式学級への公開授業の見学もその一環。

担当する先生からビデオ撮りのオファーがあったんです。


今回は別の学校で1~3年、4~6年の2学級でした。

生徒は授業をするために、夜遅くまで
各教科、各学年に対する計画を練って、教具を作っていたらしいです。

絵と文字が書いてあるカードを使ってスペイン語の授業を1年生にしたり、

ダウン症の子には、他の子が手助けに入ったり、

具体物を使って3年生に図形、2年生に割り算、1年生に引き算を教えたり、

CDを使って、ニカラグアのダンスを教えたり。

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ニカラグアの授業では・・・

・計画をしっかりと立てること
・教具を使うこと
・授業のはじめに簡単な遊びを取り入れること
・子どもを助けること

一番大事な、「子どもが理解しているか」は置いといて、

これらがちゃんとおこなわれたら良い授業と言われます。

その観点からいくと、生徒がやった授業はとても良かったと思います。

生徒のほとんどが初めての複式学級での授業。
7月から始まる教育実習では、たくさんの生徒が複式学級で授業をします。
複式学級は単学年と違った計画の立て方、授業の進め方をするんですよね。

でも、それは養成校ではあまり教えられない。
だから、生徒にはとても良い経験になったと思います。

本人達も、「うまくいった」とか「役に立つ」とか言って満足そうでした。


まあでも、授業内容のことを言うと、

例えば算数なら、

1年生に 13-8 を教えてから、練習問題で繰り下がりをほとんど扱わず、

15-5とかをやってたり、

2年生に割り算を教えたら、すぐに筆算をしたり、50÷2 とか難しい計算をさせたり

そういう、子どもの発達段階に合わないことを教えることがよくないんですよね。

それがこの国にある大きな問題でもあると思うんですが。


それでも、前回の生徒より授業中に子ども達をたくさん助け、

理解させようしていた生徒の頑張りには

見ていて、すごく良い気持ちになりました。


その理解させようという気持ちと、

発達段階にあった授業をするだけで、

たとえ教科書がなくても、教具がなくても、

子ども達は十分に学べるような気がするんですけどね。


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# by a-ri-sen | 2009-06-23 08:27

一週間に一回。

前回の最後にイライラ8割、感動2割と書きましたが、

よく他の隊員と話をしていても、イライラすることはよくあると言います。

確かに日本のように仕事が進まないのは当たり前ですが、

そこに、国が抱えている問題があったりすると思うんです。

さて、何によくイライラしているかというと、

・学校に先生が来ないことが多く、一日に一コマは自由時間ができる。
 ひどい時は、7クラス中3クラス来てないとか。

・特別な日があるとすぐに行事がある。先生の集まりもしょっちゅう。
 前に、一週間で1日しかちゃんと授業しなかったことがある。

・先生は授業をするだけで、生徒にわからせようとしない。
 以前言われた言葉。
 「なんで、生徒が解いた問題に点数をつけるだけで、後から間違いをわからせようとしないの?」
 「じゃあ、誰が授業外のお金を払ってくれるんだ。僕たちの仕事は授業をすることだよ。」
 だから、授業をしたらすぐに帰るし。
 子どもがわかっていなくても、子どもや親のせいにするんですよね。

と、まあこんなところです。

何が根本にあるかというと、

学校なのに、すべてにおいて、

生徒のことを見ていない気がするんです。

それが残念で仕方がありません。

と言っても、なかなか自分にできることはないんですがね・・・。


感動する時は、

生徒が、「ケンジこれがわからないから教えてくれ!!」

と言って、授業外の時間に聞きに来てくれる時。

生徒が、「ケンジに助けてもらったからこの前の授業がうまくできたよ。ありがとう!!」

と言って、感謝の言葉を素直に言ってくれる時。

授業の計画を練っている生徒が算数について質問してきて、

「ああ、普段授業でホルマン先生がやっているように教具を作らないといけないよね。」

と、ホルマン先生がおこなっている授業を模範にしてくれた時。

まあ、感動する時は、やっぱり自分のやっていることが

少しでも生徒の中に残っていると確認できた時がほとんどです。
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# by a-ri-sen | 2009-06-16 07:24

公開授業のその後

以前紹介したホルマン先生の生徒への公開授業。

続きがありました。

興味を持ってくれた同じ養成校の先生がその公開授業を見に来ていたんです。
そして、その先生が新しい取り組みとして、
自分の授業に公開授業の方法を取り入れましたemoticon-0102-bigsmile.gif

複式学級の授業の仕方を学ぶという目的で
2年生の各学級を複式学級の学校へ連れて行き、
生徒がグループになって、一日のすべての授業を受け持つというものでした。


任地マタガルパは山岳地帯でもあるため、
町を離れると複式学級がたくさんあります。

だけど、

どうやって複式学級で教えればいいのかを
あまり教えてこなかったようなんです。
そこで、授業計画の立て方、授業の仕方を実践的に教えたかったみたいです。


行ったところは、学校からバスで30分。そこから歩いて40分ほど。

まるで、ちょっとした遠足です。

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そこは、1年生から6年生までが一緒に学ぶ複式学級emoticon-0121-angry.gif

一人の先生が各教科、各学年に向けての授業計画を一人で練って、

一人で授業をしているところです。

生徒が考えてきた授業計画で授業を進めていきました。

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まずは、スペイン語の授業。

生徒が自分達で考えて

前回ホルマン先生がやったように、

子ども達一人ひとりのために名札を用意して、

授業中も子ども達への援助を忘れていませんでしたemoticon-0102-bigsmile.gif

授業を主に進める生徒は

各学年ごとにやることを指示して歩き、

子ども達は与えられた短い物語を読んだり、教科書を読んだりして、

指示された課題をこなしていきます。

ただ、

1年生は読み書きが十分にできないので

ほぼ、先生役の子がつきっぱなし。

いわく、「1,2年生にはより手をかけないといけない。」と。

授業をしているグループも、担任の先生も

歩き回って、子どもを注意深く助けていました。


ニカラグアでは小学校における、

担任のこういう子どもへの個別の援助が足りないと思っていたので、

良い対応をするなあと感心していましたemoticon-0116-evilgrin.gif


まあ、と良かったのはここまで。

30分もすると、

授業をしていないグループは教室外に出て、

しゃべるし、おかしを買うし、ブランコで遊ぶし。

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この経験は少しでも生徒の記憶に残るとは思いますが、

本当に前から、学校でおこることは、

イライラ8割、感動2割くらいですかね。

感動があるだけましだと言い聞かせています。
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# by a-ri-sen | 2009-06-16 07:21